神楽坂アートギャラリー
所在地:東京都新宿区
工事施工者:株式会社マイノリティ
建物用途:アートギャラリー・事務所・住宅
構造・規模:RC造 一部鉄骨造 地下 1階 地上 3階
面積:敷地面積 355.8㎡ 建築面積 213.2㎡ 延べ面積 867.14㎡
計画期間:2018 年 3 月~2019 年 8 月
工事期間:2019 年 9 月~2020 年 1 月
写真撮影:小粥正則
設計主旨:計画は地下1階、地上3階の住宅兼事務所ビルから住宅兼ギャラリーへのコンバージョンである。建物は鉄筋コンクリート4層分のボリュームがあるが、2階の床を一部開口することで1階~2階を吹抜けとし、展示空間に一体感を与える計画としている。ちょうど中間階の部分にあたるため床の補強は鉄骨梁にて補強こそすれども構造耐力的には建物全体に及ぶには至らない計画となった。地下は美術の展示をメインにした多目的なレンタルスペースとして、コンクリート打ち放し、モルタル左官、コンクリートブロック表しの粗野な感じにて統一感を与え、トップライトから降り注ぐ上部からの光が、コンクリートブロックの陰影を際立たせている。1階・2階の展示空間はコンクリート打ち放しの質感と白の展示壁とのコントラストが特徴のスペーシーないわゆるホワイトキューブである。1・2階は一部吹抜けとなっているので一体感が得られ、吹抜け空間では鉛直方向に5m程度の高さのある美術展示を可能としている。アクセスは前庭であるポーチを通り一歩エントランスホールへ踏み込むとスペーシーな空間へトリップすることになる。そこは壁も天井もステンレス貼りの仕上とし、ライン照明を内蔵しているので、ある種の光のトンネルを抜けるような感覚に陥ることとなる。2階の一番奥側にはバーカウンター形式のラウンジが設けてあり、展示空間とは一線を隔している。間接照明は温かみのある白熱色としているため展示空間の白い感じとは雰囲気が切り替わっている。外部にバルコニーを設けているが外部に展示するためのスペースとして、R形状のバーカウンター越しに展示物を眺める設えを計画に取り入れた。今回は展示空間のみの計画を実現させたが、今後は3階の部分を住宅として、また屋上部分に皆が集える屋上庭園としての計画が予定されている。